「お願い、ヒツジの絵を描いて……」砂漠に不時着した「僕」の前に現れた、不思議な男の子。それは、故郷の星を離れ、6つの星々をめぐって地球にやって来た、小さな王子さまだった。ヒツジの絵を描いてあげた「僕」は、王子さまと心を通わせ、忘れかけていた大切なことを次第に思い出していく。飛行士として、人間と大地を真摯に見つめ続けたサン=テグジュペリの、世界中で愛読される不朽の名作。
実は「やさしいフランス語」で読むことは、語学力のアップにもつながります。ほかの外国語と同様、フランス語は「フランス語特有の発想」で書かれています。学習者にはこの「発想」がわかりにくいのですが、どんなに「やさしいフランス語」で書かれていても、そこには「フランス語の発想」があります。したがって、「わかる、わかる」と楽しく読んでいるうちに、自然に「フランス語の発想」が理解できるようになります。
フランス語翻訳家 高野 優
フランス、リヨン生まれ。海軍兵学校の受験に失敗し、兵役で航空連隊を志願する。除隊後、民間の郵便航空業界に入り、パイロットとして定期郵便飛行に従事する。1926年に作家としてデビュー。その後も航空業にかかわる傍ら、自信の飛行体験をもとに『夜間飛行』『人間の土地』などの名作を生み出す。43年にアメリカで『星の王子さま』を出版。第二次世界大戦中に33-2偵察部隊に配属され、44年にコルシカ島から偵察飛行に出たまま消息を絶つ。
米プリンストン大学卒業。ヨーロッパ文化、およびロマンス諸語を専攻する。フランスでは Institut d’Études FranÇaises d’Avignon で学び、エックス・アン・プロヴァンスにある Fondation Saint-John Perse で翻訳家として働く。現在は夫と共にカリフォルニアに在住。教育系出版社で編集を務める傍ら、フリーランスの翻訳家として活躍している。