ある日のこと、山里に棲むいたずら好きのごん狐は、兵十のうなぎを盗んで逃げます。それは兵十が病気の母親のために用意した大切なものでした。そうと知ったごん狐は、小さな胸を痛めます。大人にこそ読んでもらいたい新美南吉の名作童話。
小学校の国語教科書でおなじみの『ごんぎつね』の物語。本書は話の雰囲気を壊すことなく、中学校レベルの単語と、中学2年生までの文法だけで書かれた、最もやさしい英文の『ごんぎつね』です。また、巻末には、本文中の全ての単語が載った辞書がついています。
たとえば、物語の始まりは、次のようなものです。
(これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。)
When I was little, I heard this story from an old man living in our village.
英文でありながら泣いた人も多い、小さな傑作です。
愛知県生まれ。4歳で母を亡くす。中学時代より文学に熱中し、童話、童謡の制作を始め、雑誌への投稿を重ねた。1932年には『赤い鳥』に『ごん狐』が掲載される。同年、東京外国語学校に入学。1934年頃から体調を崩すも、女学校の教員の職を得て、仕事と制作に励んだ。1943年、結核により29歳の若さでその生涯を閉じる。