アテネで華々しく弁論を繰り広げるソフィストたちの「偽りの知者」の仮面をはぎ取ろうと、ソクラテスは「真の知者」として議論をしかけます。しかし、その行為がソフィストたちを刺激し、ソクラテスの行為は社会不安を煽るものと見なされ、「国家の神々を信じず、青少年を堕落に導いた」として裁判にかけられてしまいます。その裁判での反論の記録が、本書「ソクラテスの弁明」で、偉大なる哲学者である弟子のプラトンによって書き記されたものです。ともすれば難解と思われがちな内容を、平易な英語で書き直した本書で、ソクラテスの哲学がどのようなものであったのか読み解き、西洋哲学の源流に触れてみてください。
「ソクラテスより賢い人間はいない」とよくいわれます。ソフィストたちが弁論術を駆使し、討論の相手をねじ伏せることにその存在意義を見いだしていた時代にソクラテスは真の知者として挑みました。
ー ソクラテス、その人と哲学
アテナイ生まれ。古代ギリシアの哲学者。ソクラテスの弟子として、裁判記録を著したのが「ソクラテスの弁明」。西洋最大の哲学者の一人ともいわれるアリストテレスの師である。ソクラテスの「知」に対する考えをもとにイデア論を生み出した。