「独身で財産をもっている男性なら妻を欲しがっているに違いないというのが、一般に知られている真理である」――18世紀末、女性に財産相続権がなく、条件のよい結婚をすることがすべてだった時代。5人の娘をもつベネット家の近所に、独身の資産家が越してくるところから物語は幕を開ける。イングランドの田舎町を舞台に、高慢 (pride) と偏見 (prejudice) によって邪魔される男女の恋を緻密にあざやかに描き出したイギリス女流文学の最高峰。
イングランド・ハンプシャー州に牧師の娘として生まれる。10代のころから小説や詩を書き始め、21歳のときには『高慢と偏見』の原型となる作品を執筆していた。1811年に『分別と多感』を匿名で自費出版、13年に改稿した代表作『高慢と偏見』を発表。イングランド中流社会に生きる女性の恋愛や平凡な家族を描き、登場人物の心理を緻密に書き上げた作品群は、イギリス女流文学の最高峰と今日も名高い。その他の代表作に『エマ』(1815)など。